(1)
|
日・英語の特徴
日本語の特徴をまず考えてみましょう。
|
1. 文を短く切ることを好まない
2. 気分的に加えられた無内容な部分が多い
3. 「何が-何を-どうする」の関係がしばしば明示されないことがある
4. 助詞や敬語の使い分けが微妙で、含蓄のある表現を好む
5. ことさらに明確な表現はさけ、あいまいな表現を用いる
6. そのため主語や文の一部がしばしば省略される
|
英語の特徴は上記とはむしろ正反対で、日本語が情緒的・抑制的であるのに対して、英語は論理的・事務的であると言えましょう。
したがって英文を書く場合は、日本語独特の言いまわしにとらわれず、英語的発想で、できるだけ事実や慣用に即した表現を試みることが肝要となります。
たとえば、この点に関して岩田一男氏は『英語に強くなる本』(光文社)の中で次のように述べておられます。
『はじめまして、どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます』
などという慣用的な初対面のあいさつを、I see your face
for the first time. などというと、何だか、おまえの顔をはじめて見るがカバに似ているな、などと言われるような感じがします。『どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます』をPlease
favor me with your future acquaintance.などと言うのもおかしなものです。
英語では、初対面のあいさつは何というか、と考えて、How do you do? Nice to meet you. と言えばいいのです。
また同氏は、「何にもございませんが、どうぞ隣りの部屋でめしあがってください」というつもりで、それを文字通りThere is nothing, but please
eat the next room. とあいさつした知名人の例をあげ、英語ではPlease help yourself to anything you like
in the next room. I hope you will like it. と言ったほうが相手に真意を伝えることができると述べておられます。
|