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HOME > 名詞・冠詞 > 【第5章 名詞】 5-3 名詞の格

 
第5章 名詞
  5-1 名詞の種類   5-2 名詞の数   5-3 名詞の格   5-4 名詞の性   5-5 名詞相当語句
 


5-3 名詞の格


名詞(代名詞)が文中の他の語に対してもつ文法的な関係をと言い、主格、目的格、所有格の三つがあります。名詞では主格と目的格はいつも同じ形ですが、所有格には−’sをつけます。
Lennon was a member of the Beatles.
  (レノンはビートルズのメンバーであった)
We can still remember Lennon.
  (私たちはいまでもレノンを忘れられない)
We used to sing Lennon’s songs.
  (私たちはよくレノンの歌を歌ったものだ)
〔主  格〕

〔目的格〕

〔所有格〕

(1) 主 格
名詞が主格となるのは次の場合です。
 (a) 主語となるとき。これは日本語に訳して「は」「が」のつく場合です。
   The recruits start in their new jobs at the beginning of April.
    (新入社員は、4月のはじめに新しい仕事を始める)
   The weather will change for the better tomorrow.
    (明日、天気は回復するだろう)
  [注] 3-2 その他の文型」の項でも触れたように、There is〔are〕のあとにくる名詞は主語と考えられます。
There are eight directors in our company. (わが社には取締役が8人います)

 (b) 主格補語となるとき。これは名詞が第2文型の不完全自動詞や、受動態(〜される)の動詞の補語となる場合で、日本語では「で」「と」または「に」などに訳されます。
   He is an electrical engineer. (彼は電気技師である)
   At last he became a world-famous economist.
    (ついに彼は世界的に有名なエコノミストになった)
   Venice〔Venezia〕is called the City of Water.
    (ベニス〔ベネチア〕は水の都と呼ばれている)
 (c) 呼びかけに用いたとき
   Good evening, ladies and gentlemen. (みなさん、こんばんは)
   Mr. Jones, may I introduce Mr. Kato, the president of our company.
    (ジョーンズさん、社長の加藤(氏)を紹介します)

(2) 目的格
名詞が目的格となるのは次の場合です。
 (a) 完全他動詞の目的語となるとき。日本語では「を」「に」のつく場合で、ふつう動詞の後におきます。〔「第3章 基本五文型」の(3)参照
We must see the situation as it is.
(我々は事態をあるがままに見なければならない)
I reached Los Angeles at six p.m. (私は午後6時にロサンゼルスに着いた)
 (b) 授与動詞(「〜に〜を・・・する」)のあとにきて、間接目的語(「〜に」)、または直接目的語(「〜を」)となるとき。〔「第3章 基本五文型」の(4)参照
He handed his staff some confidential papers.
(彼はスタッフに機密書類を手渡した)
The Japanese management system guarantees the employees stability and a steady income.
(日本的経営方式は、従業員に雇用と収入の安定を保証している)
 (c) 目的格補語となるとき。これは第5文型の不完全他動詞の補語となる場合で、ふつう目的語のあとに置き、日本語では「と」「に」などと訳します。〔「第3章 基本五文型」の(5)参照
The people elected him president. (人々は彼を大統領に選んだ)
We considered him a genius in mathematics.
(私たちは彼を数学の天才だと思った)
 (d) 前置詞のあとにきて、その目的語となるとき
We want to help the people of developing countries.
(私たちは開発途上国の人々を援助したいと望んでいる)
In Japan overtime is sometimes considered to be a kind of mark of loyalty to the company.
(日本では、残業は会社に対する一種の忠誠心のしるしとみなされることがある)
 (e) その他
元来は前置詞の目的語であったものが、慣用的に前置詞が省略され、形容詞句、副詞句として用いられることがあります。
The clothes were not (of) the right length.
(その着物は丈がぴったりではなかった)
I will be back (at) this time next week. (私は来週のこの時間には戻ります)
Step (along) this way, please. (どうぞこちらへ)
Those houses are (at) a considerable distance from the road.
(それらの家屋は道路からかなり離れたところにあります)



(3) 所有格
(a) 所有格のつくり方
所有格は、日本語の「の」に相当するもので、次に来る名詞に対して所有関係を表します。所有格を作るには、名詞の語尾にApostrophe s(すなわち−’s)をつけるのが原則です。
  1. ふつうは、−’sをつけます。
a boy’s cap (少年の帽子)  other people’s homes (他人の家)
a children’smagazine (子供の雑誌)
workmen’s compensation insurance (労働者災害補償保険)
  2. 複数語尾−(e)sをもつ語には−’だけをつけます。
a girls’ school (女学校)、  employers’ federations (経営者の連盟)
On average, corporations with more than 1,000 employees pay bonuses equivalent to five and a half months’ salary.
(平均して、従業員1,000人以上の企業では、5.5ヵ月分の給料に相当するボーナスが支払われる)
  3. 固有名詞の所有格
原語の最後のつづり字・発音に関係なく、ふつう−’sをつけます。
John’s〕、  Charles’s:lziz〕
ただし、原語が−sで終わる場合、その−sにひきずられて、−’だけをつける場合もあります。
Keats(キーツ) → Keats’s〔ki:tsiz〕 または Keats’〔ki:ts〕
  4. 合成語または語群の場合は最後の語に−’sをつけます。
the Governor of Georgia’s mansion (ジョージア州知事官邸)
his brother Philip’s wife (彼の兄弟フィリップの妻)
my brother-in-law’s house (私の義兄〔弟〕の家)
  5. 共同所有と別個所有
共同所有の場合は最後のDだけに−’sをつけ、別個所有の場合にはそれぞれの語に−’sをつけます。
This is Tom and Mike’s car.
(これはトムとマイクの車だ−carは単数−共有)
These are Tom’s and Mike’s cars.
(これらはトムの車とマイクの車だ−carは複数−各人所有)

(b) 所有格の意味
所有格は一般に日本語では「〜の」と訳していますが、「父の絵」と言っても、「父が所有している絵」「父が描いた絵」「父を描いた絵」と意味は様々です。英語でも所有格は次に来る語によって、所有・起源・行動の主体または目的などを表します。
  1. 所有・所属関係
my uncle’s house (私のおじの家)、  the man’s car (その人の車)
  2. 著者・発明者・制作者など
Shakespeare’s works(シェークスピアの作品)
Watt’s steam engine(ワットの蒸気機関)
IBM’s computers(IBMのコンピュータ)
  3. 主語関係 ―― 行為の主体
my grandfather’s death(私の祖父の死)
Mother’s love of gardening(母の園芸好き)
  4. 目的語関係 ―― 行為をうけるもの
Kennedy’s admirers (ケネディの崇拝者−ケネディを崇拝する人)
the treaty’s ratification (条約の批准−条約を批准すること)
[注] 目的語関係はofを用いて、Kennedy’s admirersはthe admirers of Kennedy、the treaty’s ratificationはthe ratification of the treatyのように表すこともできます。(後述の「(c)3−’sかofか」を参照。)
  5. 使(利)用対象
ladies’ shoes (婦人(用の)靴)
aviators’ sunglasses (飛行家用サングラス)

(c) 所有格の注意すべき用法
  1. 無生物の所有格
所有格は通例、人または動物などの生物に限られていますが、次のように無生物の場合にも用いられます。
fortune’s smile (運命の微笑)、
nature’s gifts(自然の贈り物)、
Japan’s foreign trade (日本の外国貿易)、
the earth’s orbit (地球の軌道)、
ten minutes’ walk to the station (駅まで徒歩10分)、
today’spaper (今日の新聞)
  2. 所有格だけ単独に用いる場合
これは所有格のあとの名詞が省略されて、名詞が−’sだけで終わっているもので、これを独立所有格と呼びます。
・名詞の反復を避けるため ―― 省略語が文中にある場合
  There products are all our company’s (products).
   (これらの製品はすべて当社のものです)
  Webster’s (dictionary) is the only dictionary that I have.
   (ウェブスタの(辞書)しか私は辞書を持っていません)
・省略語が文中になくても、住宅や商店、寺院、学校、病院などを表している場合
  I spent the weekend at my friend’s (house).
   (私は週末を友人の家ですごした)
  He ran to the baker’s (shop) and bought some bread.
   (彼はパン屋へ走って行ってパンを買った)
  He is buried at St. Paul’s (Cathedral).
   (彼は聖ポール寺院に葬られている)
  3. −’sかofか
・主語関係を表すときは一般に−’sを用います。
  John’s fear (ジョンの怖れ ―― ジョンが抱く怖れ)
・目的語関係を表すときは一般にof句を用います。
  the fear of heights (高所恐怖 ―― 高所に登ることを恐れること)
[注] ただしpicture(絵)、portrait(肖像)、statue(彫像)などは、その前に目的語関係の所有格を多く用います。
my mother’s portrait (私の母を描いた肖像)

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